アンコール遺跡群を自転車で巡る旅 3
目覚めるとどうやらもう
飛行機はカンボジア上空を
飛んでいるようだった。
下のほうを見てみるけれど
あまり光は見えない。
どんなところなんだろう。
次第に陸地が近づき
あっという間に飛行機は
シェムリアップ空港に到着する。
天気は曇り、気温は2〇℃
わかってはいたことだけど
カンボジアは暖かい。
ゆっくりとランディングする飛行機の中
英語のアナウンスを聞いて
まだそのことが実感できない私は
外の気温はそれだけ高いということが
不思議な気がしてならなかった。
向こうに見える空港の建物は
平屋で勾配のきつい切妻屋根。
規模でいえば多分八丈島の空港ぐらいだろうか。
福岡空港の国際線が
今は大きく感じられるぐらいに
とても小さな空港みたいだ。
そして飛行機は空港の建屋よりも
少し離れた所に停まり、
私達は近頃日本の空港ではあまり見かけなくなった
タラップを降りてカンボジアに入国した。
外に出た瞬間、暖かい。
乾季だとは聞いていたけれど
気温が高いせいだろうか、
その空気は湿気を帯びているような気がする。
同じアジア人でも
北のほうに住む私達と比べ
肌の色が黒い、現地の人達。
小さな空港の入国審査官の居る場所は
日本のその場所とは少し違い
一段高い場所に居る訳でもなければ
あまり閉鎖的雰囲気のある場所でもなかった。
入国審査官の居るカウンターが
東南アジアらしい色の濃い木材で出来ていて
なんとなくそれが印象的だった。
パスポートとビザと出入国カードと顔を確認し
それからいくつものハンコを押し
出入国カードは入国用のものだけが回収され
出国用のものはパスポートにホチキスで留められた。
それからもう一種類の用紙は
税関申告用のものだっただろうか、
それは回収箱が置いてあり
その箱の中に入れると外へ出た。
出口には沢山の、人、人、人。
観光客を迎えに来た運転手さん達で
外に出るといきなり「Taxi?」と
人が寄ってくる。
沢山の運転手さんが
めいめいに掲げるカードには
日本語で書かれたものや
日本でも著名な旅行会社のものが
かなり混じっている。
そんなことより出口を出るとそこは
オープンテラスのちょっとしたカフェで、
喉が渇いた私は早速一歩くんに
「ビール飲んでからにしよ。」
…と言ってしまうのでした(笑)。
え~と、カンボジアのビールは
どれどれ、この「Angkor」ってビールかな。
暑い。
ちゃんと気候にあった服を着ていれば
きっと涼しい夜更けなんだろうけれど
上着を脱いでいるとはいえ
真冬の国からやって来た私達の格好では
じりじりと汗ばむ。
大きな看板の
英語の上に大きく書かれたクメール語が
予想通りに全く読めない。
そして飲み始めて気づいたけれど
今日はビール飲みすぎ。
(↑今更気づくことが人としてオカシイ)
ここから始まる、シェムリアップでの日々。
これから一歩外に出て
初めてみるカンボジアという国(の一部だけど)。
なんだかわくわくして仕方がなかった。
夜だしまだちゃんとこの景色がわからないけれど
どんなところだろう、ここは。
そして12月に入ってから漠然と「行こう」と決めて、
ほんとうにここまでやってきたことが
実際にカンボジアの地を踏んでみて
改めて感慨深く感じられた。
ビールを飲み終わりタクシー乗り場に目を向けると
さっき「Taxi?」と声を掛けてきた男性が
そそくさとやってきた。
う~ん、面倒なことにならないといいなというか
ボラれないかなぁ~と
一瞬頭によぎったけれど
一歩くんがOKしたのでまぁいいかと思った。
タクシーは日本製。
トヨタのカムリだった。
「へぇ~カムリなんだ。」
そのきはまだ、シェムリアップの街は
カムリだらけだということを知る由もなかった。
そして、このタクシードライバーが
豪快に低速走行で
「1日25ドル、エアコン付きだし車はいいよ~」
と、英語でしつこく明日の営業してくるので
もう飲み過ぎだし面倒だし
英語はわかんないふりをしていたら、
空港→ホテルまで5ドルの料金だったはずなのに
降りるときには「一人5ドル」とか
有り得ないことを言ってきた。
でも入国したてに喧嘩をするのも面倒だし
チェックイン時からホテルの人に仲裁に入って貰うのも
このときはすごく面倒に感じて
うっとーしーので金で払って解決することにした。
ちきしょ。タクシーのオヤジ。
ちなみにそのタクシー会社は
シェムリアップ市内ではタクシーもバスも見る
メジャーな会社なんだろうか
車の側面にオレンジ字で電話番号の入っている
そういうヤツでした。
看板は信用にはならないということか。
まぁ中国でもそんなもんか。
お金を払ってから
もっと主張すべきだっただろうかと
ちょっと後悔してみたのでした。
ホテルは国道6号線に面する
クラス的には上の方のホテル。
ご丁寧にドアを開けてくれ
ニコニコしながら荷物は部屋まで運んでくれる。
この場合、チップが必要なのかな。
フロントマンもとても親切な人で
とても丁寧な対応だ。
そして通された部屋が
当たり前だけどビジネスホテルのツインとは
格段に違うぐらいに広い部屋で
思わず私は「広っ!」と言ってしまった(笑)。
クローゼットもばかでかく
家具類は多分ウォルナットだろうか、で統一され
窓はサッシではなく木枠の大きな窓
開けてみるとバルコニーにも
椅子が並べられていた。
洗面室の扉を開けると
正面に大きな洗面台、左にバスタブ
そして右側には洋式の便座と
全面ガラスの仕切りで区切られた
固定式のシャワーが備え付けられている。
「えっ、このつくりって
風呂にお湯はってシャワーはあっちってこと?
床がびちゃびちゃにならない?」
驚いている私をよそめに
一歩くんは冷静に
「中国の、俺が居るところもこういうつくりだよ。」
「シャワーもこんなガラス張りなの?」
「そう。」
「これって、お掃除する人も大変だね。」
どう考えてもこのガラスを拭き上げるのには
脚立がないと無理だよね、というぐらいに
洗面室の天井も高い。
なんだか私には
身分不相応なくらいの部屋だなぁと
少し恐縮してしまう程だった。
あれだけ飲んだのに
部屋に着いたら早速バルコニーの椅子で
外ビール(笑)。
あれだけ「マラリアが~」とか気にしていたのに
私は早速蚊に刺される。
「やべっ、早速刺された!」
あ~。
マラリアになったらどうしよう。
というか、今更だけど薬飲んだ方がいい?
…と思いながら
大きなベッドで私はそのまま眠ってしまった。
元々人よりもものすごく刺されやすい体質の私。
一歩くんには「蚊取りブタ」とまで揶揄されるほどの
二酸化炭素排出体質。
そりゃ、刺されないはずはないよなー(笑)。
ってか、わざわざ小さな蚊取り線香持ってきたのに
何で焚かずに外ビールなんて
無謀なことをしたんだろ。
先に気づけよ、
とまだこのときは思っていたのでした。
追伸:
忙しさにかまけ、きょうの今日まで
デジカメのデータをPCで見ることはなく
今日初めてみてみようとしてびっくり!
私の画像データはすべて壊れていることが
今更ながら発覚しました。
今はたちなおれない。
マジっすか。
あまりのショックで
これはもう一度写真を撮りに行くしかない。。。(笑)








