2008/07/08

タウシュベツ橋梁2008年6月末

昨年果たせなくてどうしても行きたかった
念願の岩間温泉に入浴した後
私達は湯を沸かして昼食を食べ
それから冷たい沢に足を浸しながら
その場で入れたコーヒーを飲んで
タウシュベツ橋梁へと向かった。

国道を反れたダートの道
向こうから何台かの車が来る。

あの時とは違い氷は完全に溶けただろうけれど
きっとあの橋も見えるだろう。

水の有るタウシュベツ
どんな景色なのだろう。。。 

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「あ、湖だね。」

駐車場に車を停めて歩き出し
向こうにこの景色が見えたとき
一歩くんはそうつぶやいた。

私もそう思った。
氷の下に水音を感じた
GWとは随分と違う景色だった。
 
ふたりとも早足になった。
熊除けの鈴がちりちりと響く。

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あれから一度湖の中へ水没し
それからもう一度姿を現しただろう
タウシュベツ橋梁。

その姿は前回以上に
圧倒される風景だった。

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私達はただ黙ってめいめいに写真を取り
それから橋の一番端の石積みに座り
足を湖に投げ出して
ただ黙って橋の姿を見ていた。

こうしてここで見ていると
その痛みがよくわかる。

毎年のように湖に沈んでは現れる橋だから
痛むのは仕方のないことだけど
よーく見てみると
かなり痛んでその骨材がむき出しのところと
往年の地上にあった頃とそう変わらない
痛みの少ないところ、
その肌にはムラがあって
何となく興味深い。

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SLが走る姿を思い浮かべてみる。
その昔にここにあった景色。

その線路があった場所は
長年の湖の水位の変化でなのか
今の線路の敷石とは違う
大きさの均一ではない丸い石が
敷き詰められていた。

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いつかこの橋は
その水位の変化によるダメージに負けて
この場所からなくなってしまうのだろう。

それまであと何回ここで見られるのか
それとも私の命が先に尽きるのか
それはわからないけれど
一日中眺めていても飽きないだろう

私には、そんな景色だ。

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タウシュベツ橋梁の説明につきましては
昨年5月の記事をご覧下さいまし。
(上の緑字からジャンプできます)

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2007/05/06

北海道2007早春 4 (幌加温泉編)

タウシュベツ橋梁を後にし
糠平湖中心部に戻る途中の国道273号
景色が変わっていることに気がついた。

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んっ?
アーチ橋の上に…遊歩道???

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旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁郡は
北海道遺産に選定されていた。

知らなかった!そうだったのか!
タウシュベツ橋梁もしっかりと記載されている。

納得。あの林道の中にどうして
あんなにも人が居たのか
あんなにもレンタカーが居たのか。

そうか、そういうことだったのか…。

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ところで一歩くんのお楽しみ
"岩間温泉"の話ですが

三股へ向けて車を走らせ
トイレに立ち寄った幌加除雪ステーション
一歩くんが訊ねてみた。

「あの~、今から岩間温泉ってところに行きたいんですけど。」
「無理!」

ごぞごぞと職員のおじさまが地図を差し出す。
国道から沢沿いの林道を何kmも走り
更に車を置いて歩いた場所に温泉はあるという。

「スノーモービルだったら行けるけどな。」
ハハハ…確かに無理だ。


それでも一歩くん、諦めきれずに
三股橋の付け根の入口から
非スタッドレスのフィット号でトライ。

ひ~っ!無理無理上がれないって。
細いカーブの上り坂にはガードレールなどある訳がなく
片側は沢に向かってまっしぐらの崖

勿論雪はまだまだ融けずに残っている。

滑る滑る~滑ってまっせにーさん!
急な上り坂をひとつ上がって
「あ~無理だね、これは。」

一歩くん、そのまま崖地の雪道
カーブの下り坂をひたすらバック。

ひぃぃ~~~すごすぎです、にーさん。
私にはそんな運転は出来ません。

恐るべし、雪慣れした宮崎人。

ちなみに岩間温泉は写真で見る限り
湯船だけの所謂"野天風呂"であることを
念の為付け加えておきます。


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さて、何とか岩間温泉の野望は諦めて貰い
今日のお宿は幌加温泉・鹿の谷(かのや)。

岩間温泉よりも糠平湖寄り、国道から一本道を反れると
道の突き当たりに小さな建物がある。
その風情はひなびた湯治宿。

食事は持ち込みで共用の台所がある。
目の前でエゾシカが草を食んでいる。

やっぱりエゾシカって大きいなー。
(※野崎島に居る九州鹿と比べて)

部屋に入ると実家にあった懐かしいインターフォンの電話機
古いファンヒーター

インターネットが見れる訳でもなく
携帯電話も勿論圏外だけど
それがかえって良かった。


掃除の行き届いた部屋でお茶を飲めば
昭和の時代にタイムスリップ

お風呂はほぼ混浴だが
あんまりにも露天風呂が気持ち良いので
ビール飲み飲みついつい何度も入ってしまう。

回りの男性陣はちょっと気を使ったに違いない。
私達も出来るだけ誰も居ない時間を選んだが
中々そういう訳にも行かないもので…。


すぐそばの川のせせらぎ、澄み渡る空気
携帯も鳴らない静寂の夜

夫婦で入る山の中の露天風呂
何て贅沢なのだろう。

カラダや心の重かった何か
何もかもから解き放たれていく…。


すっかり朝寝坊してしまい
目覚めたのは翌朝10時。

それでも宿の方は嫌な顔ひとつせず
飛び切り美味しいコーヒーを入れてくれた。
 
しかもしっかり朝風呂をさせて貰ってから宿を発った。


すいません、いろいろとお世話をお掛けしました。
突然の宿泊+寝坊に嫌な顔ひとつもせず
お母さんと息子さんで経営されているのかな、
お二方ともものすごく丁重な方で…。

今回は飛び込みで1泊だけの幌加温泉
次回は滞在型で楽しみたい。

もし糠平-夕張間がさほど遠くなかったら
私達は間違いなくここにもう1泊していただろう。


一歩くんも私もものすごく気に入りました。

【photos by ippo&minami minakami】
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北海道2007早春 3 (糠平編)

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タウシュベツ橋梁
1937年竣工 1955年水没。(Wikipedia調べ)

沈んでは姿を現す橋ではあるが
奇しくもGoogleマップでその姿を確認することが出来る。


間近で見る幻の橋に
私達は思わず「すごい」と声を上げた。

全長100mを越すその橋は
まるで遺跡。
勿論、紛れもなく現代の遺跡である。

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長い年月水没を繰り返したその姿は
コンクリートが削り取られ
表面が凸凹としている。

削られたコンクリートから顔を出すのは
川原によくある丸い石。

  昔は川の石を使っていたんです
  しかし川の石を採取しすぎて―――
  で、現在では山の岩を砕いて使っています

授業で聞いた先生の言葉を思い出す。
本当だ、昔のコンクリートは川の石を使っている。

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橋の上部は痛みが更に酷く
むき出しの鉄筋が目立つ。

いつか崩壊する…運命なのかな。

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かつて士幌線が走っていた線路跡が
こうして眺めてみるとはっきりとわかる。

車窓から眺める風景はどんなものだったのだろう。
木立の中を走り抜け
川に架かるのはコンクリートのアーチ橋。

きっと今の風景とは全く違うものだったに違いない。


糠平も他の道内の地名と同じく
アイヌ語由来。

長い長いこの地の歴史の中では
きっと一瞬にしてこの橋は出来上がり汽車が走り
そして湖に沈んだのだろう。

しかし湖の中から現れるこの橋は
圧倒的な存在感を持って
見るものに教えてくれる

かつてこの場所を人が開拓し
鉄道を通したという事実を。


岐阜県の旧徳山村
住民の希望で小学校の校舎の取り壊しを止め
そのまま沈めた昨年の出来事

タウシュベツ橋梁をみて
何となく…その気持ちが解るような気がした。

【photos by ippo&minami minakami】
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北海道2007早春 2 (糠平編)

糠平湖畔を走る道は2本ある。

ひとつは国道273号線
湖の西側を走るこの道路はとても整備されていて
旧士幌線のアーチ橋がいくつか
道沿いに残っていた記憶がある。

もうひとつの東側を走る道路は
舗装されていない細い道が延々と続く。
旧道なのかな?と思わせる風情。

雪の残る糠平湖畔
こちらもまだ湖面も凍っている。

目指す"幻のアーチ橋"
タウシュベツ橋は湖の北東側、
除雪されているか不安なダートを避けて
一旦湖の北側まで国道で出て
そこからアタックするルートを選んだ。

え~っと、道の入口は…んっ?
ご丁寧に"タウシュベツ橋→"の看板が立てられている。

気付かなかった~こんな看板があったんだ。
真夏の暑い中に来たときは全然気付かなかった。
きっと草ぼうぼうで気付かなかったんだな。。。

…と思っていたものの
実際ダートに入ってみれば
来るわ来るわレンタカーの対向車。

もしかして、『鉄』の人って多いのかな?
そもそも私がこの橋を知ったのも
元はといえば宮脇俊三さんの『鉄道廃線跡を歩く』シリーズ。
 
それは私の思い込みだったと後に気付くことになる。


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糠平湖の湖底
凍りついた湖は水位(?)が低く
氷の上向こうまで
無数の木の切り株が続いている。

隣の然別湖とは違い
ここは確実に人が作った湖

そういえば何年か前
水位を下げたシューパロ湖の底にも
こんな風に木の切り株が並んでいたのを見た。

歩いているのはそんな『湖の底』。
 
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実は私は糠平湖のことをあまり知らない。
湖になった年代は調べれば判るにしても
その前のこの場所はどんな姿だったのか。

人は住んでいたのかな?
立ち並ぶ切り株を前にふたりで考える。
 
「けれど少なくともここには鉄道があった訳で。」
…もしかして、この場所も
かつて人が生活していた場所だったのかもしれない。


そうそう、ところで問題の橋は…ドコ?
 
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あ…後ろじゃん!(^^ゞ

急ぎ足で反対側に歩き出すと
突然氷が割れ足が水に浸かった。

よくよく見るとところどころ
氷の下に水が流れている。

それは確実に川のような流れ
氷の下からせせらぎが聞こえている。

凍りついた糠平湖にも確実に春が近づいています。

【photos by ippo&minami minakami】
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2007/05/05

北海道2007早春 1 (糠平編)

5月1日
朝一番の飛行機で新千歳空港へ降り立つと
私達はまだ真新しいレンタカーに乗り換えて
久しぶりの北の大地を走り出した。

3泊4日、私達の北海道の旅の仕方では
あまりにも少なすぎる日程だ。
今回はとにかく夕張に重点を置いたので
残念ながら苫前のEさん一家にはお会い出来ない。
 
夕張から比較的近くて行きたい場所
上士幌町、糠平湖(ぬかびらこ)
旧国鉄士幌線のアーチ橋が湖に沈み
GWの頃は姿を現すと20代の頃の夏に聞いた。

…せっかくだからここに行こう!
そう思ったは良いものの
新千歳空港からは284kmの道のり。
 
しかも昨日はふたりとも"遠足の前"で
ロクに眠ることも出来ていない訳で。

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早春の北海道
眠い目を擦りながらまずは私がハンドルを握る。
外は風が強く肌寒いけれど
車の中はぽかぽか陽気。

眠いよ~。
一歩くんも助手席でいつしか転寝。
…仕方ないね、一歩くんは完全不眠の
北海道初日。

何かを察してくれたのか
目覚めた一歩くんが運転を代わってくれた。
まだせいぜい100kmしか走っていない。

外は眩しい日差し。

夕張に入る頃から
いつしか道端には無数のふきのとう
夕張を越えると
いつしか山には残雪。

晴れていた空も曇に覆われ
明日から天気が悪いのは知っているけれど
走って行けば行くほど季節は冬へと逆戻り。


然別湖はまだ完全に凍っている。

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湖が完全に凍っているのは
一歩くんも私も初めて見た。

「ワカサギの穴釣りとか出来そうだね。」

しかしこれから行こうとしているのは
隣にある人造湖の湖底
国道から外れたダートの道沿い。

…行けるのかな?
両側にまだまだ沢山の雪が残る峠道。
スタッドレスでないタイヤのレンタカーを走らせながら
一歩くんは「ここはバイクで来たい。」
と運転しながらはしゃいでいる。

「まぁ~行けるところまで行ってみましょ。」
確かに、ここまで来たことだし。

 
今回、大まかに行きたい場所を決めたのは私。
そこから先細かく行く場所を決めたのは一歩くん。

一歩くんは糠平の奥にある
"岩間温泉"という野天風呂に行く気満々で
糠平湖で力尽きる訳には行かないのだ。

…勿論、私も行きたいけどさぁ~(笑)
けれどこれだけ雪の残る場所の野天風呂、
果たして行けるのか?
 

そう、計画は計画であって
決して計画通りでないきままな夫婦のふたり旅

さてさて、どうなりますことやら…。

【photos by ippo&minami minakami】
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