いつもの場所に行ってきた。
「忙しいから」と通うことを怠ける間に
銀杏の木はすっかり葉を落としていた。
この前来たのは…確か
10月の終わり頃だったのだろうか
ちょうどお祭りの前の日のことだった。
ホハレに行こうという約束や
福井のお墓参り
紅葉のせせらぎ街道
普段の秋のお休みにしていたことを
何もしないままに
秋がもう終わろうとしている。
そういえば、窓の調子はどうだろう。
今日は誰かと会う約束もなく
また例のスポーツの大会の日のようで
きっと皆居ないだろうし
時間もある。
私達は小学校の校舎の中へと
入っていった。
直した窓は
何とか持ちこたえてはいるけれど
私達の想像以上に
建物の傷むスピードが早いようで
いつまでこの建物が
今の形で持ち堪えられるのか
正直かなり怪しくなってきた。
窓枠ごと落ちて割れた
窓ガラス部分には塩ビ板をはめ込み
窓枠が落ちる原因となった
窓と額縁の間の隙間を埋めるように
窓枠上のレール凸部分に添木をしたのが
私達が数ヶ月前にしたこと。
そして今。
一歩くんのシルエットのすぐ左の
透明な窓が
上に書いた補修をした窓。
その左側の擦りガラスの窓とのセットの
引き違いの窓なのだが
写真を見て解るとおり
たった数ヶ月で左側の窓に
隙間が出来てしまった。
今、この左側の窓は
私達の施した右側の窓の添え木と
左右の窓をつなぐ鍵で
何とか窓枠に収まっている状態。
外壁も内壁も
このあたりはシロアリにやられているようで
もう本当にぼろぼろだ。
このままでは近い将来
またこの窓は、今度は2枚セットで
落ちてしまうのだろう。
そしてこの窓付近から
この校舎は壁面が崩壊するのだろう。
そう思ったら居てもたっても居られなくなって
私はほうきを持ってきて
教室の掃き掃除を始めていた。
一歩くんもほうきを持ってきて
掃き掃除を始めた。
教室側は日当たりも良くグランドに面しているので
建物そのものの痛みは少ないが
天井のペンキが剥がれ落ちていたり
割れた窓ガラスがあったせいか
(※現在は補修済)
落ち葉が落ちていたりする。
窓ガラスは全て直したものの
その後の忙しさで
掃除まで手が回らなかった。
開け易い窓を選んで開け
同じ床の上を何度も何度も
ほうきがけする。
くもの巣を丁寧に取り払い
ほうきがけする。
この場所が使われなくなってからの埃が舞い
完全ではないにせよ床が綺麗になっていく。
時間や時代の流れのなかで
無駄な抵抗かもしれないけれど
掃除をすることで1日でも
この建物の寿命が延びるのならば
私達は綺麗にしたい
私達はこの校舎の半分の教室と
全部の廊下、そして土間を掃き掃除した。
廊下はすでに3度目の掃除なので
くもの巣はかかれど
埃の量は少なかった。
気づいたら2時間近い時間が経過し
太陽はとうに西に傾いていた。
気温7度の場所で
私達は汗を流しおなかを空かせるほどに
動いていた。
「次は拭き掃除だね。モップ持ってきたほうがいいかな。」
「モップあったよ、給食室に。」
それよりも根本的にあの窓を
例えば窓枠の下に角材の補強を入れたり
そういうことで何とか崩壊を
間逃れる道はないのだろうか。
左側の窓枠に添え木をすることはたやすく
また実際に私達の直した窓以外にも
この校舎の窓枠には同じ手法での直しが入ったものが
いくつかあるが
今回はそれでは持たない。
「もう個人レベルでは難しいのかもしれない。」
美しい木造校舎の風景が
いつまでもそこにあって欲しいけれど…。
かつての中学校の校舎は
残念ながらいつか屋根を支えきれなくなって
倒壊するのだろう。
それは明らかに構造上からくる建物の歪みで
既に個人レベルでないことはわかっていた。
けれどももしかしてこのふたつの校舎
建物として壊れてしまうのは
小学校のほうが先なのかもしれない。
そんなかなしい予感がした
秋の終わりの夕暮れだった。
この美しい木造校舎を
例えば保存をしたり
活用するという動きがあれば
この校舎の運命も変わるのだろうけれど
当ブログを以前からご覧の方には
ご承知の通り
この場所はダムの計画地であることもあり
そういう話は出ないみたいだ。
丁度夜中、徳山村のドキュメンタリー
『約束』が再放送されていたけれど
ダム計画地であるために地場産業が育たない、
結果過疎化が進む、
「ダムに振り回された40年だった。」
春の頃、出会って間もない
あのスポーツのチームの長老さんが
そういっていた意味
たとえばこんなところにもつながっている。
各地で過疎化と合理化が進み
閉校する小学校も後を絶たないけれど
それでもやはり、小学校は
地域のランドマークだと思う。
この小学校は
校舎こそ今は使っていないけれど
グランドや法面の芝刈りは
マメに施されている。
それは私たちも知っている地元の方々が
そういう作業を自分達でされているから。
勿論スポーツの練習をするためにというのもあるけれど
それだけでは広い学校を
あそこまで綺麗に保てないだろう。
今の気持ちをうまく表現できないけれど…
色々なことがあるにせよ
出来れば未来まで
あの場所にあの校舎が建っていて欲しい。
綺麗なままで。
綺麗に芝刈りされたグランドには
あの校舎が似合う。
私達に出来ることって、何だろう。
* * * * * * *
そういえばこの前
おとうさんとおかあさんの家に行った時
ダム関係の人が家を見に来た
と言っていた。
それは引越しの際どれだけ費用がかかるか
見積もりをする為に
どれだけの持ち物があるか調査をするそうで
何年かに一回
こんな調査が入るのだという。
具体化しなければ良いが。